地震による火災への備えは、ガスやろうそくなどの火の始末だけではありません。倒れた物が電熱器具に触れたり、電気のコードが傷んだりすると、電気を原因とする火災が起こるおそれがあります。 停電中に加熱が止まっていても、電気が戻ったときに出火する場合があります。
この単元では、電気火災を起こしにくくする平時の準備と、地震後に電源を操作してよい条件を学びます。感震ブレーカーを検討する場合は、電気を止めた後の照明や、医療機器などに必要な電源も一緒に考えましょう。
住まい
地震による火災への備えは、ガスやろうそくなどの火の始末だけではありません。倒れた物が電熱器具に触れたり、電気のコードが傷んだりすると、電気を原因とする火災が起こるおそれがあります。 停電中に加熱が止まっていても、電気が戻ったときに出火する場合があります。
この単元では、電気火災を起こしにくくする平時の準備と、地震後に電源を操作してよい条件を学びます。感震ブレーカーを検討する場合は、電気を止めた後の照明や、医療機器などに必要な電源も一緒に考えましょう。

例えば、地震の揺れで布類が電気ストーブの近くへ落ち、発熱する部分に触れてしまう場合があります。また、転倒した家具で電気のコードが傷つくなどして、出火につながることもあります。
消防庁は、地震による電気火災の予防として、住まいの耐震性の確保や家具類の転倒防止などにより、電気機器の転倒、落下物との接触、配線の損傷を防ぐ対策を示しています。消防庁「令和5年版 消防白書・地震火災対策」
平時には、発熱する電気機器の周囲に燃えやすい物がないか、揺れたときに物が落ちてこないかを確かめます。コードを家具で踏みつけていたり、傷んだまま使っていたりしないかも見直してください。機器の扱いは製品の説明に従い、傷みや異常があるものは使わず確認します。
家具の対策は、けがを減らすだけでなく、このような火災の原因を減らすことにもつながります。室内の確認は単元8:寝る場所と出口を守る家具対策を参照してください。
停電して電気機器が止まると、その時点では発熱していないように見えます。しかし、落ちた布や傷んだコードが元に戻るわけではありません。電気が復旧すると、機器に再び通電し、残っていた原因から出火するおそれがあります。こうした復電に伴う火災は、通電火災と呼ばれます。消防庁「地震火災対策」

通電火災の一例です。損傷した電気配線からの出火など、別の原因もあります。
図は、電熱器具に布が接触する一例です。すべての通電火災が同じ経過をたどるわけではなく、配線の損傷などにも注意が必要です。「今は電気が来ていないから、そのままで安全」と考えないことが大切です。
地震後に家を離れる際は、安全にできる場合に、電気機器のプラグを抜く、ブレーカーを切るなどして電源を遮断します。東京消防庁も避難前の電気・ガスの確認を案内しています。ただし、火や煙、津波などが迫る場面で、これらの操作を終えるために避難を遅らせてはいけません。東京消防庁「地震 その時10のポイント」
感震ブレーカーは、一定以上の揺れを感知すると自動で電気を遮断する装置です。不在時や、揺れの直後に自分でブレーカーを操作できない場合への備えになります。
| 種類 | どこで電気を止めるか | 導入前に確認すること |
|---|---|---|
| 分電盤タイプ・内蔵型 | 分電盤に内蔵されたセンサーで感知し遮断 | 電気工事が必要。分電盤の交換等を含め専門家へ確認 |
| 分電盤タイプ・後付け型 | 既存の分電盤に装置を追加して遮断 | 電気工事が必要。漏電ブレーカーの有無と設置への適合を確認 |
| コンセントタイプ | 装置を付けたコンセントからの供給を遮断 | 工事が必要な製品と不要な製品がある。対象にする機器を決める |
| 簡易タイプ | 重りやばねでブレーカーを物理的に落とす | 既存のブレーカーに取り付けられるか、製品の条件と設置方法を確認 |
消防庁の種類別説明を、家庭で相談する項目に整理しました。消防庁「感震ブレーカー」
コンセントタイプを一つ付けても、家全体の電気を遮断するわけではありません。 安さや取り付けやすさだけで選ばず、「どこを止めたいか」と「止まると困る設備」を確認します。
相談時は、分電盤の型番が分かる写真を用意し、「この分電盤に付けられる種類はどれですか」「どの回路が止まりますか」「復旧前に何を確認しますか」と聞くと、設置条件を具体的に確かめられます。写真のために分電盤のカバーを外したり、内部の配線に触れたりする必要はありません。賃貸では設備工事の可否を所有者・管理会社へ確認します。
電気を遮断すれば、照明も使えなくなる場合があります。夜間に安全を確保するため、電池式の照明などを、暗くても取り出しやすい場所に用意します。電気を止める機能だけでなく、止まった後にどう動くかまで一組で備えます。内閣府「停電対策」

感震ブレーカーは種類や設置条件が異なります。医療機器の電源は医療者や事業者と平時に確認します。
電源が必要な医療機器を使う人は、停電時にどの電源を使うか、予備電源がどれだけ使えるか、連絡先はどこかを、医療者や機器の事業者などと平時に確認してください。自己判断で遮断の条件を決めたり、必要な機器を止めたりしないことが前提です。内閣府「停電対策」
感震ブレーカーがあっても、家具の転倒や電気機器の周囲の可燃物を放置してよいわけではありません。機器の種類と設置条件を確認し、ほかの出火予防策と組み合わせます。
地震が起きたら、まず揺れから身を守ります。揺れが収まった後も、周囲に切迫した危険があれば、その場所から離れることを優先します。電気の確認は、危険な場所にとどまったり戻ったりしなくても、安全にできる範囲で行います。

設備の確認や操作のために、切迫した避難を遅らせないことが前提です。
「ブレーカーを切る」は、どの場面でも最初に行う一律の手順ではありません。例えば、津波の危険が迫る場面で分電盤を探し回ったり、火や煙がある室内へ戻ってプラグを抜いたりする行動は避けてください。全体の優先順位は単元4:揺れが収まったら何をする?で確認できます。
復電後も、電気が来たからすぐに使ってよいとは限りません。電気機器や配線の損傷、周囲の燃えやすい物などを確認します。焦げた臭い、破損などの異常があるときは、試しに電源を入れて確かめず、電力会社や電気工事の専門家、機器の事業者などへ相談してください。消防庁「地震火災対策」
今日の準備では、分電盤の場所を平時に把握し、電池式の照明が取り出せるかを確かめます。感震ブレーカーを検討するときも、照明や必要な医療機器の電源と合わせて確認することが出発点です。
住所の検索では、室内の配線や電気機器の状態までは分かりません。地域の情報を確認しつつ、電気火災への備えは住まいの設備に合わせて進めましょう。次の単元10:家の備蓄と非常持ち出し袋の分け方では、停電・断水で使える物も含めて準備します。
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