多賀城市で自宅周辺の浸水区域を調べるときは、洪水・内水・津波の地図を、同じ住所で読み比べてください。 洪水の地図だけでは、下水道や水路で排水しきれない雨による浸水は確認しきれません。

避難先も、近くの学校や地図の避難所マークだけでは決められません。市の一覧には、洪水時に上階への緊急避難ができても、避難生活のための指定避難所としては開設しない学校があります。この記事では、公式図面の選び方と、その条件を見落とさない確認手順を説明します。

多賀城市の公式ハザードマップは、災害別に3種類を開く

市の防災ハザードマップのページには、洪水・土砂災害と津波のPDFが掲載されています。内水は市の内水ハザードマップのページから開きます。

確認したいこと 公式ページで選ぶ資料 自宅以外に照合する場所
川からあふれる水、斜面の災害 「洪水・土砂災害ハザードマップ」 避難先までの道路や橋、斜面に近い区間
雨を排水しきれずに起きる浸水 「多賀城市内水ハザードマップ(地図面)」 自宅の出入口から避難経路まで。同じページの「情報面」で想定条件を確認
津波で浸水すると想定される範囲 「津波ハザードマップ」 高台や津波避難ビルへの経路と、避難先自体の位置

まず自宅を見つけ、次に避難先候補、最後にそこまでの道をたどります。別の図へ切り替えるたびに同じ3か所を見て、色の凡例を読み直してください。災害の違う図の色を、同じ危険度として比べないことが大切です。

市の防災ハザードマップは2023年3月に作成・配布されたものです。掲載ページが2026年に更新されていても、すべての図面が同じ年に作り直された意味ではありません。各PDFの作成時点と、ページ上の追記を分けて読んでください。

内水図の「1時間120mm」は、避難開始を待つ数字ではない

市の内水図は、ピーク時の1時間に120mmの雨が降る条件で作成されています。内水ハザードマップの情報面では、総雨量を325mmとする想定も説明しています。これは地図を作るための計算条件で、実際の降雨予報や避難を始める基準ではありません。

同じ情報面には、雨の降り方によっては、着色されていない場所が浸水したり、表示と異なる深さになったりする場合があると記されています。川から離れた場所でも、内水図を省かずに見てください。

例えば、洪水図では自宅付近に色がなくても、内水図では自宅前の道に色が付く場合を考えます。この場合に確認したいのは、家の位置だけでなく、その道を使う避難経路です。地図面で経路の色と凡例を比べ、別の道も候補に入れておきます。この記事が特定の道路の浸水を判定しているわけではありません。

色のない場所の考え方は、ハザードマップで色が付いていない場所をどう読むかでも説明しています。無着色だけを根拠に、その場所や経路を安全と決めないようにしましょう。

同じ学校でも、緊急避難と避難生活では使える条件が違う

市の公式ページには「指定緊急避難場所」と「指定避難所」が別々に載っています。前者は災害から一時的に逃れるための場所、後者は自宅で生活できなくなった人を受け入れる施設です。施設名が両方にあっても、災害別の利用条件は同じとは限りません。

施設 指定緊急避難場所の条件 指定避難所の備考
第二中学校 洪水は2階以上 洪水時は開設しない
多賀城八幡小学校 洪水は2階以上、津波は対象外 洪水・津波時は開設しない
城南小学校 洪水は2階以上、津波は対象外 洪水・津波時は開設しない

出典:市の指定緊急避難場所・指定避難所一覧。市の2つの表から、同じ学校の欄を照合しています。「2階以上」はその施設の指定条件であり、どの建物でも2階なら安全という意味ではありません。

たとえば第二中学校を候補にしている場合、「洪水時は2階以上」という欄だけで確認を終えず、指定避難所の「洪水時は開設しない」という備考まで読みます。平常時に、洪水時の避難生活を送る別の候補も考えておく必要があります。この表は、現在開設中の施設を示すものではありません。

津波は、高台への経路とビルの受入条件をセットで確認する

多賀城市津波避難計画(2025年12月改定)の本文12ページでは、砂押川以北の高台を水平避難の基本的な目標としています。一方、大代地区、高橋・新田・山王地区などでは、他市町の高台の方が近い場合にそちらへ避難することも考えられるとしています。市の境界を越えるかどうかだけで、候補を外す必要はありません。

平常時には、津波図上で高台までの道をたどり、橋や通りにくい箇所、家族と移動するときの負担を確かめます。市の計画は、徒歩避難が難しい場合の垂直避難も扱っていますが、建物の被災や孤立のリスクも挙げています。地図上の距離だけで「この道なら間に合う」と決めないでください。

津波避難ビルを候補にする場合は、市の「一時避難場所(津波避難ビル)」一覧で、次の3欄を続けて読みます。

  1. 受入可能日:平日のみか、土日・祝日も含むか。
  2. 受入可能時間:夜間にも使えるか。
  3. 大津波警報の場合:利用する階や場所、使用不可の記載がないか。

たとえば市の一覧では、みやぎ生活協同組合大代店は受入可能時間が24時間でも、大津波警報の場合は使用不可です。「24時間」の欄だけで判断すると、この制約を見落とします。施設ごとの条件は市の最新の一覧で照合してください。

「近くの学校に行く」だけでは、災害が変わったときの行動を共有できません。自宅と避難先候補の名前、洪水・内水・津波で確認したこと、使えない条件を一組にして残します。昼間の勤務先や子どもの通学先についても、同じように分けておくと話し合いやすくなります。

施設の表記が読み取れない場合は、市の危機管理課防災減災係(022-368-2079)へ、住所と施設名を伝え、「この災害では緊急避難と避難所開設の条件がどう違うか」を平常時に確認できます。内水図の対象や読み方は、上下水道部施設整備課事業管理係(022-745-8052)が問い合わせ先です。連絡先はそれぞれの公式ページに掲載されています。

地震などを含む地域全体の情報を見たい場合は、多賀城市の防災情報へ進めます。このページでは、市の地図と施設一覧を照合する手順を扱っており、現在の開設状況や個々の建物の安全を判定するものではありません。