松戸市で浸水リスクを調べるときは、過去の被害を記録した「浸水履歴一覧表」と、一定の雨を想定したハザードマップを分けて読みます。 履歴に地名があることだけで、その地区のすべての建物が浸水したとはいえません。記載がないことも、今後浸水しない根拠にはなりません。
まず市の浸水履歴一覧表で掲載年と地名を調べ、次に内水・洪水の図で自宅と避難先、その間の道を確認します。内水の図を比べる際は、紙面の版とWebで選んだ雨量、凡例の深さをそろえることが大切です。
浸水履歴・浸水想定・継続時間は、答える疑問が違う
| 知りたいこと | 開く公式資料 | 読み取れることと限界 |
|---|---|---|
| 過去にどんな浸水被害が記録されたか | 浸水履歴一覧表(平成18年度以降) | 発災日、住所、床上・床下、棟数。個別番地の被害証明ではない |
| 大雨で自宅周辺にどのくらい水がたまるか | 内水ハザードマップ | 選択した雨量での浸水の深さ。過去の実績図や当日の冠水情報ではない |
| 浸水が長引く想定か | 内水浸水想定区域図(浸水継続時間) | 水深0.5m以上が続く時間。避難できる残り時間ではない |
| 河川の氾濫なども含めて確認したい | 松戸市水害ハザードマップ | 洪水、高潮などの資料を選んで読む。内水だけの想定で確認を終えない |
同じ「浸水」という言葉でも、記録、予測、時間の情報は役割が異なります。自宅の位置を一度見つけたら、別の資料でも同じ場所を探し、資料名と条件を一緒にメモしておくと混同を防げます。
履歴一覧表は、年と住所、床上・床下を一組で読む
浸水履歴のPDFは、年ごとに「発災年月日」「住所」「災害種別」「被害種別」「棟数」が並んでいます。探している地名を見つけたら、同じ行の日付と被害種別まで読んでください。
例えば「令和5年台風2号接近に伴う大雨」の欄では、6月2日の金ケ作は床上1棟、西馬橋2丁目は床下1棟と記載されています。この例で分かるのは、表に記録された日、地名、被害の種類と棟数です。金ケ作全域が床上浸水した、今見ている特定の家がその1棟だった、とまでは分かりません。
別の年や災害でも同じ地名が出る場合があります。地名だけを拾って合計する前に、年と日付、床上か床下かを分けて読みます。地域の過去を調べる資料と、個々の建物の状態を確認する調査は区別しましょう。
掲載期間も重要です。今回確認したPDFの末尾には令和6年度の欄がありますが、その後の災害まで網羅していると判断できる資料ではありません。案内ページに表示される更新日だけで掲載年を推測せず、PDF内の年の見出しを確認します。
探している地名や年が見つからない場合は、「被害がなかった」と決めず、危機管理課へ資料名と確認したい年・住所を伝え、確認できる記録の範囲を尋ねてください。市の案内は住所を大字単位等で示す一覧であり、番地ごとの履歴が公開されているわけではありません。
内水地図は、紙の版とWebの雨量を合わせる
松戸市内水ハザードマップの公式案内によると、令和7年4月版の紙面は、降雨条件を1時間71ミリから153ミリへ変更しています。土砂災害の警戒区域等を追加し、それと見分けやすいように浸水深の配色も変わりました。
一方、Webの「やさシティマップ」は、同じ案内ページから3つの雨量を選べます。
| Webで選ぶ1時間雨量 | 市が示す条件 | 比較するときの使い方 |
|---|---|---|
| 153ミリ | 想定最大規模降雨 | 令和7年4月版の紙面と雨量を合わせるときに選ぶ |
| 105ミリ | 近隣地域での大規模な降雨 | 153ミリの図と、同じ場所の深さがどう変わるかを見る |
| 71ミリ | 既往最大降雨として示す条件 | 手元の旧紙面が71ミリなら条件を確認し、153ミリの図も見る |
153ミリのWeb版と紙面版は、浸水深の色が異なりますが、同じ浸水情報だと市が説明しています。 色だけを見て「紙では浅いのにWebでは深い」と決めず、それぞれの凡例で何mの区分かを確かめてください。
比較する順番は、紙の表題・版、Webで選択した雨量、各図の凡例です。雨量が違えば想定も違い、雨量が同じでも表示色は一致するとは限りません。地図を印刷したり家族に共有したりするときも、雨量と凡例が分かる状態で残すと読み違いを防げます。
内水は、下水道などで排水しきれない雨水が住宅地や道路にたまることによる浸水です。市は、想定する深さを超えたり、地図で色のない場所でも浸水したりする可能性を説明しています。過去の履歴がなく、地図にも色がないという二つの条件がそろっても、安全の保証にはなりません。
継続時間は「水深0.5m以上が続く時間」
内水浸水想定区域図の案内には、「浸水深さ」と「浸水継続時間」の別々のPDFがあります。深さを調べた後、浸水が長引く想定かも確認できます。
継続時間の図の凡例は、0.5m以上の浸水が継続する時間を示しています。雨が降り始めてからの時間でも、避難までに残された時間でもありません。0.5mを下回ることと、水が完全に引いて道を安全に通れることも同じではありません。
このPDFには、計算の前提も書かれています。1時間153ミリの雨と、平成28年度末時点の下水道の整備状況を基にし、排水先の河川水位を計画上の最高水位に設定しています。また、津波、高潮、河川の破堤・越水による洪水などは考慮していません。
そのため、案内ページの更新日が新しいことを、計算に使った設備や条件もすべて同じ時点だという意味には読めません。深さ・時間の凡例に加え、図の下の「説明文」と「基本事項等」を確認してください。ここにある時間を待機の目安にせず、平常時の避難先や備えを考える材料にします。
洪水図と避難施設の変更情報も確認する
市の水害ハザードマップ案内では、「洪水」と「内水・高潮・津波」のPDFを選べます。河川の氾濫については洪水の資料を開き、自宅だけでなく、避難先候補と途中の道路を確認します。内水の継続時間図が扱わない災害を、別の図で補うためです。
同じページには、令和8年4月1日の指定避難所・ペット同行避難所等の変更資料も掲載されています。以前の地図に施設名が載っていた場合でも、変更案内と市指定避難場所一覧を照合してください。「風水害時の避難所開設方針」へのリンクもあるため、場所を調べた後は、開設に関する案内へ進めます。この記事で施設が現在開設中かどうかは判定していません。
履歴や水害マップの不明点は危機管理課(047-366-7309)、内水地図の条件は下水道整備課(047-366-7361)へ相談できます。履歴なら年・地名・該当行、地図なら資料名・雨量・確認したい地点を伝えると、質問が具体的になります。
色が付いていない場所をどう読むかは、ハザードマップの無着色部分の考え方で補足しています。地震なども含む地域の概要は、松戸市の防災情報から確認できます。